ブログ「Puppet Therapy Cafe」

被災地での心のケア その8

ようこそ 「Puppet Therapy Cafe」へ

今回も、前回の続きのお話しです。

 

被災地の子どもたちは、言葉にできない程の恐怖や不安や悲しみを

経験しています。

その感情をヒブッキーやパペットに投影し、また、共有することにより、

心の整理をしています。

そして、乗り越えて、前へ進む力を育むことにつながります。

このようなパペットの力を、被災地支援活動を通して体感できたことは、

当学会にとっても、貴重な経験となりました。

被災地での心のケア その7

ようこそ 「Puppet Therapy Cafe」へ

今回も、前回の続きのお話しです。

 

被災地の子どもたちに、パペットを手渡したことは、心のケアの

継続をすることになります。

子どもたちは、その後もこのパペットを使い続け、知らないうちに

セルフセラピーをすることになります。

自分で思うままに、心の声を表現し、心の開放をしていきます。

怖かったこと、悲しかったことをため込まないで、自己消化を

することに役立つのです。

これは、支援が一時的なものにならない工夫でもあります。

被災地での心のケア その6

ようこそ 「Puppet Therapy Cafe」へ

今回も、前回の続きのお話しです。

 

被災地の子どもたちが、心の底に抱えている声を、パペットを使って

表に出すこと。

これができるのは、パペットの特徴ともいえる「Me and Not Me理論」

にあります。

パペットが話していることは、本当は自分がしゃべっている本音だが、

しゃべっているのは自分ではなくパペットだということ。

発言の安全性が保証されているという安心感が、心の声を開放させて

いるのですね。

被災地での心のケア その5

ようこそ 「Puppet Therapy Cafe」へ

今回も、前回の続きのお話しです。

 

被災地の子どもたちに、手作りのパペットを完成させ、自由に遊んで

もらう中で、震災に関係する気持ちをパペットを通して語ってもらい

ました。

一見無謀なことのように感じるかもしれませんが、恐怖や悲しみの

感情を表出することは重要なことだと、イスラエルの子どもたちの

行動観察からも明らかになっています。

パペットがしゃべったことに責任を負わなくてよい。

そして、非難もされない。

だから、子どもたちは安心して気持ちを外に出せるのです。

 

 

被災地での心のケア その4

ようこそ 「Puppet Therapy Cafe」へ

今回も、前回の続きのお話しです。

 

宮城県山元町の小学校では、イスラエルシュナイダー小児医療センター方式の

パペットセラピーを行いましたが、これは、未完成のパペットを1体ずつ

プレゼントし、これを完成させる工程も含んだ、パペットセラピーです。

瞳や舌や洋服の模様シールを用意し、子どもたちは、思い思いのアイテムを

貼り付けて完成させていきます。

そして、自分専用のパペットが出来上がると、早速、友達同士のおしゃべりが

止まらなくなりました。

パペットを自分で完成させるということは、与えられたものではなく、

自分の力によって生み出されたもので、愛着が湧き出てきます。

そして、自分のパペットを思うままに扱うことができる主体者である

という自覚が生まれると思われます。

 

被災地での心のケア その3

ようこそ 「Puppet Therapy Cafe」へ

今回も、前回の続きのお話しです。

 

ヒブッキープロジェクトで、子どもたちにヒブッキーを渡すと、

思い思いに犬のお世話を始めました。

互いの犬の掌のマジックテープをつけて、長くつないで遊んだり、゜

ジャングルジムに連れて行ったりして遊んでいます。

中には、突然犬を寝かせて、心臓マッサージを始めた子どもがいました。

そして、愛おしそうに犬をそっと抱き上げて、頬ずりする光景が

ありました。

それは、震災の時に目撃した光景が記憶されていて、弱弱しい犬の姿に

投影されたのでしょう。

子どもたちは、震災で目撃したものを忘れてはいないのです。

また、その気持ちを投影し表出することで、それを整理する過程に

ヒブッキーが役目を果たしたことになりました。

 

被災地での心のケア その2

ようこそ 「Puppet Therapy Cafe」へ

今回も、前回の続きのお話しです。

 

当初の被災地支援活動では、ヒブッキープロジェクトと共同で行い、

ヒブッキー犬のぬいぐるみを子どもたちに手渡していましたが、

この悲しげな目をしたぬいぐるみには、意味があります。

「私たちは気の毒なヒブッキー犬の世話ができる強い子だ!」という

気持ちを起こさせるということです。

これは、より能動的、主体的な存在とするためのレジリエンス(克己心)

教育の方法だと考案者は言っています。

確かに、苦しみから立ち上がるためには、支援を受けるだけの受動的な

存在で居続けていては、いけないということなのでしょうね。

被災地での心のケア その1

ようこそ 「Puppet Therapy Cafe」へ

 

当学会の被災地支援活動では、必ずパペットを介在させてきました。

被災地の子どもたちの多くは、心のストレスを抱えています。

見知らぬ大人が訪問する場合、子どもたちにとっては、

これもストレスになります。

しかし、パペットを抱えていると、警戒心を減らすことができます。

パペットのもたらす安心感が、子どもの心に暖かさをもたらすようです。

これがパペットセラピーの支援の特徴です。